当初25名の参加予定者から5名のキャンセルがあり、総勢20名を今年6月から開設された路線バスが大弛峠まで運んでくれる。車窓から見えた金峰山が、シンボルの五丈岩と共に私たちを誘っていた。運転手さんの話では、開設以来こんな晴天は珍しいとの事、最近のアルコの山行はツキがある様だ。
峠で、身支度やヤベッチ体操で15分位費やし9:00丁度に登山を開始する。
吸い込まれる様に樹林に入ると間もなく急登となるが、それも永くはつづかず、暫らくすると下りとなりまた登る。シラビソの樹林の中を木の間越しに時折見える快晴の空、小さな登り下りを繰り返し、5つか6つのコブを越えて朝日峠に降り立つ。9:40分である。10分程の休憩後、朝日岳の登りに取り掛かった。
最初は緩い登りも序々に急となりゆっくりと歩を進める。ナナカマドに僅かに紅葉の兆しがみえる。コブを1つ越え露岩を越え、南側に縞枯れを見る、青空と空気が実に爽やかだ。そこから少し10:40分に朝日岳の頂上に立った。
頂上直下のガレ場手前が眺望が良く、金峰山と五丈岩と共に、登山開始から初めての対面である。ここで10分の小休止とし、靴底の剥がれた会員の靴を、アルコ常備の結束バンドと平紐で応急修理して、ガレ場の下りを開始した。
再び樹林帯に入り、コブを1つ越え、木の腰掛のある平かな鞍部に降りた処で1本立てる。ここ迄の歩みを考えると、当初予約の帰りのバス時刻に間に合わないと腹を決めた。
鞍部からは鉄山への登りだ。シラビソの樹林の中に処々ダケカンバが見られる様になってきた。鉄山は極自然と巻き道を行く様になっていた。
樹林を抜け、這い松帯に入ると金峰山が近い事を告げる。ここからは、晴天の中、展望を愉しみ乍の歩行である。尾根が大きく左に曲がると砂礫地帯となり、その先が露岩帯となって、良い足場の所を拾いながら慎重に進み、巨岩の下を潜り抜けた処が三角点であった。12時を僅かに回っていた。
全員が恒例の写真に納り、狭い山頂から五丈岩基部の平地まで下って昼食とした。天気は上々、間近には瑞牆山や小川山、遠くは八ヶ岳の眺望を愉しみ、五丈岩に取り付く人達を見ながら、もっとゆっくりと過したい所であったが、帰りの最終バスの時間も気に成り、12:45分大弛峠へと踵を返す。
露岩帯を登り返すと時間が掛りそうだったので、北側の金峰山小屋へ下るルートを取り、分岐から再び頂上に立ったが、時間的にはかえって掛かったかもしれない?。
朝日岳手前の小ピークで後方を振り返り、金峰山に感謝の別れを告げ先を急ぐ。途中、栄和交通へ連絡を入れ、14:50分のバス予約を、16:00の最終便に変更して貰う。
朝日岳通過が14:40分、朝日峠到着が15:10分、ここで最後の小休止を摂り、バスの出発時刻に照準を合わせ乍も、事故が起きない様にゆっくり慎重に下る。
バスの時間には間に合いそうだったが、保険の意味で2人を先行させた。全員が大弛峠に揃ってから時計を見ると15:50分であった。早速車中の人となり、茶店もあるバスの乗継ぎ中継地の柳平で解散した。
後記:休憩を含めて、6時間掛ければ往復出来ると踏んで、バスの予約時間を設定したが、実際には1時間多くの時間を要し、自身の判断の甘さも含め、多人数の場合や、岩場のあるルートの場合の、コース時間の設定に課題が残った。
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