花の美しい千丈ガ岳と絶景の甲斐駒ケ岳の連続登山 |
千丈ガ岳(3,033m)甲斐駒ケ岳(2,967m) |
リーダー 加藤正 |
2009年8月7日(金)から9日(日) |
参加者 総リーダー加藤正 1班L:加藤正、SL:森 石村(会計)、増田(会計) 高橋恭、渡辺、引馬、小堀、山崎 2班L:平田、SL阿部、別所、遠藤、古川、中澤、白鳥 男性8名 女性8名 計16名 |
8月7日(金) 午後小雨 1日目 馬ノ背ヒュッテ泊 所要歩行時間 3時間10分 昭島駅7:30 → AI観光バス → 芦安駐車場 → 山梨交通バス → 広河原 → 南アルプス市営バス → 北沢峠 → 120分 → 大滝ノ頭 → 70分 → 馬ノ背ヒユッテ(泊) 朝7時30分という余裕の出発時間であるが、高速道路は混雑少なく、その後のバスの連絡も順調で予定通り、12時40分北沢峠に到着。準備体操の後、降り出した小雨の中を歩き出す。今日は馬の背ヒユッテまで3時間半ほど歩けばよい。楽勝だ。 緑濃い南アルブス特有の樹林帯の中を行く。これだけでもこころ洗われる思いがする。大滝の頭まで尾根すじを汗かいて辿り着く。ここから薮沢小屋を経て馬の背ヒユッテに向けてトラバースしていく。沢すじの崖を歩くが悪い。慎重に歩く。馬の背ヒユッテには予定どおり到着する。 このヒユッテがいろんな意味で厳しかった。まず寝所に酒類など持ち込み厳禁。見張りがついて1挙手1頭足が監視される始末。目つきの鋭いお兄さんは入れ墨が入っていてまるでやくざ風であり、恐い雰囲気。だがなれるにしたがって、小屋独特のローカルルールであり、したがうしかない。清潔な寝所にするためには、それくらい仕方ない。食堂で宴会の後、夕食はカレーでお決まりコース。二杯おかわりする人もいた。 食後、環境保護についてボランティアから30分くらい話しを聞き、お勉強。 8月8日(土) くもり晴れ 2日目仙丈ガ岳−長衛荘泊 所要歩行時間 予定4時間20分/実質7時間半 馬ノ背ヒュッテ → 60分 → 仙丈ガ岳 → 40分 → 小仙丈ガ岳 → 40分 → 大滝ノ頭 → 70分 → 北沢峠/長衛荘(泊) 朝6時出発。今日の天気が気になるところだが、くもりということで雨は降らない見込みである。千丈小屋に向けて歩くが、このあたりは高山植物が咲き乱れていて南アルプスの女王といわれる仙丈ヶ岳らしい雰囲気。昨夜の環境保護の話しから高山植物は鹿の害に加えて、人間の不用意な接近により、激減しているとのことである。これを保護しているロープの柵内には誰一人はいることなく、つぎつぎと現れる花を見て回った。黒百合は絶滅寸前ということであり、それでもいくつか見かけた。 先ほどまでガスっていたが、このころから天気がぐんぐんよくなり、展望が開けてくる。甲斐駒ヶ岳、鋸岳、その背後には蓼科山から右に八が岳が展開している。遠く中央アルプスの連山が横たわる。 千丈小屋にて小休止。 16名中、9名がドリップコーヒーを楽しむ。小屋番の話しでは、今年は雨で客足が少ないという。昨年は、お客さんはいいから雨が欲しい状態だったが、今年は、雨はいいからお客さんが欲しいという。 登るにしたがい千丈カールから立ち上がる仙丈ヶ岳の全貌が迫る。天気は良くなった。3033bの頂上、8時10分に至る。真正面に北岳、間の岳が目に飛び込んでくる。360度の視界が得られて来た甲斐があったというもの。 今日はあと、北沢峠まで約1,000bを下るのが目的である。時間はタップリとある。ゆっくり、のんびり下るだけだ。 昨日、今日と明日、今回のテーマ「ゆっくり二山」を歩くペースメーカーはシャテルさんがつとめていて順調であり、おしゃべりがかしましい中、北沢峠下り、13時すぎに、今日の宿泊場所「長衛荘」に入った。 8月9日(日)くもり晴れ 3日目 北沢峠−甲斐駒ヶ岳−北沢峠−芦安 所要歩行時間 予定8時間/実質10時間 長衛荘 → 120分 →仙水峠 →90分−駒津峰 90分 → 甲斐駒ヶ岳 → 60分 →駒津峰 →双児山経由120分 → 北沢峠 昨日の女性的な仙丈ヶ岳に対して、今日登る甲斐駒ヶ岳はいかにも雄々しい山容である。摩利支天を従えて威圧するようにそびえ立つ甲斐駒ヶ岳には登高意欲をそそられ、誰しもが一度は登りたくなるであろう。 北沢峠2036mから甲斐駒ヶ岳山頂2,967m。往復は標高差931mを登り、さらに下ってこなければならない。優しいと言われる北沢峠からの甲斐駒ヶ岳であるが、ハードルは高い。しかし「ゆっくり」登れば登れないことはない。ゆっくり登るには歩行速度がゆっくりで一定している人にペースメーカーに成って貰うのが一番だ。今日もシャテルさんペースで歩くこととする。 朝3時起床。4時出発。仙水峠2,264mに向かう。暗い沢すじの道を上り仙水小屋まで1時間かかった。ここからライトなしで歩いて仙水峠に向かう。大小無数の岩塊がうずたかく城塞のように積まれた独特の地形の端を歩いて仙水峠2254bに出た。展望が開けた。甲斐駒ヶ岳摩利支天峰が空高くそびえていて迫力があった。地蔵岳オベリスクが見えて眼下は雲海となっていた。まだ6時前だ。 仙水峠から標高差500mある駒津峰2740mへの急登が始まった。樹林帯をゆっくりと登るが急傾斜地であり、なかなかはかどらない。黙々と静かにのぼりたいところだが、マナー知らずの4人パーテイーに悩まされる。バラバラと歩いていてアルコのパーティーに入って平然としているし、落石を落としても詫びることもしないし、休んでいるときは道をふさぐしで、困ったパーテイーと一緒になってしまった。 展望は登るにしたがい開ける。 鳳凰三山から右に鋭角に北岳や間の岳がそびえる。やがて地蔵岳の背後に富士山が姿を現し、願ってもない展望が開けた。朝4時から登りだし、いままだ7時であり、早起きのご褒美がこの展望である。 なんだかんだと標高差500mを登りきり、駒津峰に出れば一気に甲斐駒ヶ岳の白亜の三角錐が迫る。ここからが肝心だ。ゆっくりと着実に登ろう。天気は崩れる心配がないのが有り難い。 痩せた岩稜をクライミングダウンして六方石に向かう。岩も乾いていて不安はない。16名が一列となって延々と延びる。あとすぐ六方石というところでSU−SANに出逢う。昨日、雨の中、黒戸尾根を登り、七丈小屋あたりでテント泊したとのことであり、これから仙丈ヶ岳――北岳まで縦走ということであった。健闘を祈る。 六方石からしばらくして岩場を抜けると花崗岩で白い山腹を右におおきく迂回していく。頂上は近くて遠い。花崗岩砂を敷き詰めた斜面を一歩一歩登る。9時20分 1班全員9名が頂上に立つ。2班7名も9時30分到着し16名全員1名の落伍者もなく登りきった。ゆっくり、ポレポレ、ビスタリーで順調に登ってしまった。 頂上でコーヒーを飲んで、10時下山に掛かる。もう雲が出てしまいあの朝方の絶好の展望はないが、16名全員が登れた満足感にいい気分で下山した。復路は駒津峰から双児山経由して北沢峠に14時10分に戻る。 15時すぎのバスにて広河原に出て、さらに乗り合いタクシーで芦安に出た。AI観光バスに乗り換えて温泉に下り、一路昭島にもどり、9時前に自宅にいた。 |
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(記:加藤正) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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