大きな移動性高気圧が入ってきて、本日 「快晴」。
タクシーを走らせ、ヤビツ峠の先の富士見山荘にて下車、 一台4.500円、一人当たり1.500円であった。もう9時半であり、登山開始はゆっくり目である。今日は長丁場、ゆっくりいこう。
奥多摩なら、馬頭刈尾根は長いことで知られ、馬鹿尾根とも言うが、 丹沢では表尾根があり、それ以上に長いことで知られる。
二の塔に向けて歩き出す。最初こそしっかりしていた山道が、 だんだんとぬかるんできて、グシャグシャ状態で靴が汚れる汚れる。この登り、傾斜も強く、ゆっくりといかざるを得ない。大山1.251mが背後にそびえていてなかなかである。
1時間もすると、二の塔の頂である。 とたんに展望が開ける。 白銀の富士山がでかい。 裾野から見え、2.500m付近からしっかりと白銀の鎧をまとい、
どーんとした感じで座っている。我々のふる里の山、奥多摩の山から見える富士山は小さいが、 丹沢の富士山は雄大であり、ところ変わればまったく印象が異なる。
目の前の三の塔に向かう。相変わらずのぬかるみ状態で道の端っこを たどる。三の塔1.205mの展望は二の塔より勝る。左に富士山、右に塔の岳まで連なる表尾根の山が長く延びる。烏尾山、行者が岳、新大日、木の又大日などが塔の岳に連なる。アップダウンがきつそうであり、まだまだ登山はこれから本番。
休憩も5分くらいで、次の烏尾山に向かう。 三の塔の下りにお地蔵さんが下降の無事を祈っているようである。
最低按部から烏尾山1.136mに登り返す。もう11時半であり、ここで昼食。先が長いのでわずかな時間で再始動。
行者が岳はここの尾根の難関、気をつけていこう。西に面している15mほどの岩場の下降は悪い。鎖はご丁寧に二本 、 最近つけられた様でこころ強いが、足場は雪がついていて滑りやすく、
この尾根でもっとも緊張したところだ。 降りきったところの木製の橋の足下は、はげしく切れ落ちていて、 さらに緊張。 これを抜けると書策小 屋である。 かつて名物小屋番がいたというが、もうなくなっていて、小屋も荒れ放題で寂しいものだ。相変わらずぬかるみ道で靴はどろんこ状態である。
やがて木の又小屋の脇を通る。 もう7、8年前になるが、同じく3月、KとNのコンビで 表尾根を歩いていて、突然の吹雪に見舞われ 、この小屋に入ったことを思い出す。
山菜天麩羅を食し、一升酒を飲み、夜半満天の星を見た。 あの時は低気圧の通過で突然の吹雪であったが、今日は快晴。
もうあとわずかで塔の岳1.491mであり、余裕も出て、歌でも歌いたくなるほどである。(証人の発言・カラオケ気分で 訳のわからない 唄を歌っていた)

やがて、2時半、塔の岳山頂。登り口の富士見山荘より5時間かかったことになる。 山頂広場に人影は少ない。風はある。展望はいい。 富士山の右脇に南アルプスの白い山々がかすんでいた。
尊仏山荘で缶ビールを飲みたいと思うが、まだまだ大倉尾根の下りがあり、 慎重を期して飲まないこととする。 歩荷がおおきな荷を背負って登ってきた。見とれる。下りも、ゆっくりいこう。
疲労が重なっているので慎重に歩く。 結構ちいさな岩混じりの道は滑りやすく、転倒したら、ただではすまない。
ゆっくりだから、歌のひとつも披露したくなるが(証人の発言・披露‥疲労していた)、ゆっくり2時間半下ると大倉バス停であった。
7時間半の歩きで充実したハイキングであった。 (加藤)
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