高尾山の喧騒に比較して、北高尾山稜は今は冬、 いつもよりさらに静かだ。
単独行の人が先に行った。
我々も凍てついた路を歩き始めるが、時折、陽だまりもあり、小一時間も登ると八王子神社である。ここは古戦場であり、八王子城址であり、北条氏照の居城であったところ、豊臣、徳川連合軍に攻められ一夜にして落城したところで、神社はそれに因んで建立されたものという碑がある。軽く一礼し先に進む。
天守閣の跡は、そこからかなり先にあった。推測するに天守閣はピークの一角にあり、下から仰いでみるようなところに建てられていたのではないか。
ここまでは、なんとなく八王子城址の圏内を歩く形となり、富士見台でようやくハイキングらしくなった。
本日、快晴。展望は最高であり、白銀の富士山はいつもよりよく見えた。
ここらあたりから、アップダウンがきつくなり、ところどころ残雪を歩く。解けて凍ったところもあり、スリップに注意し慎重に歩く。かなりの急斜面を登っては下降することの連続となる。
いくつの瘤を超えたか、杉の丸で北側展望が開け、五日市、埼玉方面がよく見える。ここで昼食。下方に圏央道のトンネルがよく解る。
次の目標である関場峠に向けて歩く。ここら当たりは歩きやすいし、広葉樹林帯で気持ちも落ち着くところ、快適に先を急ぐ。残雪の路を反対側から来る人たちチラホラあり、冬の北山稜はそれなりに人気があるようだ。
この尾根の行き着く先は堂所山7 31mである。このピークは高尾山から陣場山の従走路にあっては目立たないが、延々と5時間に渡っても堂所山から派生する北高尾山稜を登ってくると堂所山は堂々たる山であることがよく解る。
なだらかな山頂で一服する。
今日の適度な疲労感に満足した顔を写真に撮る。
縦走路に出て、底沢峠から明王峠に出れば、後は下りだ。明王峠から一時間強で中央線相模湖駅にたどり着いていた。
7時間強を歩いた身体にはビールがことのほか旨かった。 (加藤)
【北高尾山稜を登って堂所山にて 一枚記念写真】 |